新しい携帯型生化学分析用の流体チップとして注目されている紙流体チップの高機能化を目指した研究を実施した.具体的には紙流体チップに電気回路を組み込むことで,単体の紙流体チップでは実現が困難であった分析の実現を目指した.特に紙への電気回路印刷技術に着目することで,安価,軽量,低体積といった紙流体チップの利点を損なうことなく高機能化を実現することを目指した.本研究では,電気回路印刷技術によって紙上へ導電性インクの塗布を行い電気素子として機能させた.また紙上での電気泳動による物質分離手法の開発を実施した.これにより紙流体チップ単体では難しかった分析を大きな周辺機器を使用せずに実現できる可能性を示した.
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