研究課題
挑戦的萌芽研究
本研究では,環境振動に対する人の主観的な判断に客観的な裏付けを与える基礎的な知見を得ることを目的に,簡易脳波計によって計測された脳波を利用した評価方法の環境振動評価への適用性を実験的に検討した.その結果,脳波を利用した評価方法により,振動に対する心理的応答を評価できる可能性が示唆されたが,その実験結果には個人差が大きく認められ,脳波計測の方法や精度など,現時点では環境振動評価への適用に課題が多いことがわかった.
環境振動,構造動力学,人体振動
環境振動問題は,建物の居住者による心理的・主観的な判断により顕在化することから,その評価指標には主観的判断を用いることが自然である.一方で,心理的応答は,回答者が恣意的に応答を決定できる.そこで本研究は,環境振動の評価指標に可能な限り客観的な裏付けを与えることを目的に,より客観的な計測が可能な脳波による評価の適用性を検討したものである.結果としては,一般の居住環境下でも利用可能な簡易脳波計による計測では,現時点で環境振動評価に適用可能と判断できる結果は得られなかった.