非天然ビオチンの末端にスクシンイミド基(NHS基)を付加した新規誘導体を合成し、細胞表面へのラベル化実験を試みたところ、天然型のビオチン化試薬を用いた従来法と同様に表面蛋白質を精製できることが判明した。特に新手法では内在性ビオチン化蛋白質であるカルボキシラーゼ類を排除でき、細胞骨格蛋白質がリストされることが判明した。ヒトの転移癌のモデルマウスで試したところ、担癌マウスで1.5倍以上亢進する血管内皮蛋白質の種類について解析したところ、従来法でのみリストされる蛋白質が147種、従来法と新規法で共通にリストされる蛋白質が28種あったが、新規法でのみ亢進が認められた蛋白質が53種あることが判明した。
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