研究課題
挑戦的萌芽研究
空間学習を担う重要な脳領域として海馬が知られているが、海馬が学習過程に他の脳領域とどのような神経回路を形成しているのかはあまりよく分かっていない。ゼブラフィッシュは脳サイズが数㎜と小さく、脳全体を観察するのに適している。そこで、ゼブラフィッシュに空間学習をさせ、その際、どの領域の神経が活動するのかを明らかにしようと考えた。しかしながら、ゼブラフィッシュは比較的新しいモデル脊椎動物であり、どの程度の空間学習が可能かあまり分かっていなかった。そこでまず、その学習実験系の確立に取り組んだ。
神経科学 動物行動
ゼブラフィッシュは遺伝学的手法に優れた小型魚類である。そのため、モデル脊椎動物として、発生学をはじめ、様々な研究分野に用いられてきた。学習・記憶の研究分野においても、その基本的なシステムを検討できると注目されているが、空間学習を検討する実験系は不十分であった。今回、空間学習の実験系を整備したことで、ゼブラフィッシュがこの分野の研究においてもモデル生物として優れていることを示すことができた。