LC/MS/MSを用いた高精度の定量法を確立し、メラトニンの前駆体であるNASも同時に測定できるようになった。その結果、野生由来系統MSMマウスやメラトニンを合成できる実験用系統B6マウスでは、メラトニンよりも約10倍の高濃度のNASが夜間には血中に含まれていることがわかった。また、メラトニン合成できるB6マウスは普通のB6マウスと比べて体重や生殖腺も軽かった。産後数も有意に少なく、実験室環境において、メラトニン合成能を失ったことは理にかなっていた。しかし、野生環境に生きるマウスはメラトニン合成能を有していることから、我々がいまだに知らないメラトニンの役割が考えられた。
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