ダイズは短日植物であり、日長に対する反応性は、収量性に関わる重要な農業形質の一つである。本研究では、制御環境下で早晩性に関わる候補遺伝子を単離し、変異体を用いて候補遺伝子の機能欠損による開花遅延を確認した。さらに、ダイズミニコアコレクションについてこの遺伝子の多様性を調査するとともに短日条件で開花調査を行った。その結果、日長に対する感受性が低下した遺伝資源を複数見出した。これらの遺伝資源にはこの遺伝子の変異が確認できず、普通品種との後代分離集団の遺伝解析により複数の遺伝要因の関与が示唆されたことから、ダイズ栽培の低緯度地域への拡大にはいくつかの異なる遺伝要因が関わっていると考えられる。
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