ダイコンの根の収穫後の保存において、根内部が青くなる現象(青変症)があり、購入者から返品や苦情が寄せられる問題がある。本研究では、この青変症を抑制し安定したダイコンの生産・供給を目指し、青変症の化学的発症機構の解明とその機構を基にした青変症の発症抑制法を見出す。本課題研究において、青変症の発症は特定の物質が過剰な酸化ストレスにより酸化され青色物質に変化する機構であることを見出した。青変症は同一品種においても栽培環境によって発症度が異なることは知られており、本研究において栽培の条件により、発症にかかわる特定の物質の生合成量と酸化ストレスを低減させる抗酸化成分の含有量が影響を受けることを見出した。
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