黄色ブドウ球菌のβバレル膜孔形成毒素の分子機構を追求した。細胞特異性では、2成分性γヘモリジンのHlg2成分、LukEDのLukE成分が膜孔形成時に標的細胞と接する4つのループ構造のうち、loop4が赤血球認識に重要であり、loop1と2 が補助的に働くことを見出した。γヘモリジンのprestem解放には、LukFでprestemを保持に関わるcap領域のAspと、膜孔形成で隣接するHlg2cap部位の塩基性アミノ酸との相互作用が関わることを見出した。さらにstemの膜挿入に関わる残基の探索のため、αヘモリジンのcapとstemにCysを導入しprestem解放を調節できる評価系を構築した。
|