研究課題/領域番号 |
16K15002
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
吉田 貢士 茨城大学, 農学部, 准教授 (20420226)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 水環境 / 洪水 / 土地利用 / 水質 |
研究実績の概要 |
本年度はため池の維持管理に必要なマンパワーの不足を補うための住民参加の促進,予算の不足を補うCSR(企業の社会的責任)による保全活動の援助資金の確保を目的として,溜め池認証制度の検討・提案を行った.共同研究者の既往研究データを統合化し,自然・水質・生物多様性・地域 文化・歴史の5項目による評価指標を検討した.溜め池管理の現業機関である公共事業省・環境森林省・国立環境研究所を訪問し,コンセプトの提案と評価結果の事例提示を行った.提案内容に対して意見を収集した結果,9割以上の行政担当者および研究者が本制度は溜め池環境の改善に有用であると答えた.一方で,生物多様性の指標が分かり辛いとされ,種数を問うのではなく,代表種の写真を提示しそれが存在するか・しないかを問う形式に改善を行った. つぎに溜め池インベントリの作成とデータ収集システムの検討を行った.ジャカルタ近郊には300以上の溜め池が存在し,認証評価に必要なインベントリ収集を行政や研究者のみで行うには限界がある.そこで,WEBベースでのインベントリ収集システムの作成・公開を行った.使用するソフトには,①フリーソフトであること,②テキストや画像データを地図上に空間的に表現可能であること,③インターネット環境さえ整っていれば誰でも書き込むことができるといった点からGoogleEarthを選定した.現地調査および共同研究者の協力により公開用のサンブルデータを整理し,データを入力・公開した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画どおり、本年度は洪水緩和機能や水質浄化機能、生物多様性などの評価項目を統合し、ため池認証制度のコンセプトを提案した。また、現地の行政担当者に認証制度のコンセプトを説明し、おおむね理解を得ることができた。よって、本研究はおおむね順調に進展していると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
ため池認証制度の導入においては、住民参加による評価指標のデータ収集が不可欠である。そこで、周辺住民を対象として認証制度に関するコンセプトを説明し、住民からの聞き取りを行うことで、より現実的な制度設計を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
インドネシア国の現地協力者であるシンティア氏が短期留学に行くことになった。シンティア氏は現地溜め池コミュニティーとの窓口となっており、3月に予定していた最終調査およびワークショップのうち、ワークショップについては開催が難しいと判断した。そこで、ワークショップを9月に延期することとしし、必要な渡航費25万円と会議費15万円の計40万円に関して事業期間の延長を申請することとした。
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