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2018 年度 実績報告書

環境コミュニティー形成によるジャカルタの溜め池評価と持続可能な維持管理手法の提案

研究課題

研究課題/領域番号 16K15002
研究機関茨城大学

研究代表者

吉田 貢士  茨城大学, 農学部, 准教授 (20420226)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード水環境 / 洪水 / 水質 / 生物多様性
研究実績の概要

最終年度は溜池の物理環境要素と生態系(特にトンボ類)との関係を明らかにするため,現地調査により得た水質項目に加え,溜め池面積や護岸の長さ・複雑さなど物理的特徴を加え,クラスター分析を行った.トンボは水田等の水際で産卵を行い,幼少期はヤゴとして水中に暮らす.成虫になってからは昼間の暑い時間は水際周辺の樹林の影で休息し,朝や夕方に水際で捕食する.ゆえに,水域と陸域の両者における環境の健全性を検討するには最適な指標と考えられる.
調査対象である9つのため池を対象としてクラスター分析(ウォード法,ユークリッド距離)を行い,それぞれの類似点・相違点を明らかにした.その結果,9つの溜め池は大きく3つに分類され,トンボの生息種類と比較したところ,護岸周囲長と護岸の複雑さの両者が満たされることがトンボの多様性維持には重要ではないかと考えられた.生態系保全機能については水深や護岸植生,指標生物であるトンボの飛行範囲を考慮した周辺の土地利用等のデータを追加することにより,トンボの生息種数の多様性と環境要因についてのより詳細な解析が行えると考えられるため,今後それらのデータの蓄積を行っていく必要がある.
生物多様性に関しては,データの収集に高い専門性と時間が必要で,チョウやトンボ,鳥などの特定の生物種を嗜好するコミュニティとの連携を図り,WEBベースでのデータ収集を進めることが今後必要となると考えられる.溜め池インベントリの作成とデータ収集システムについては,公開したばかりであるため公開後の反応を見ていく必要があるが,そのようなユーザー目線での評価を取り入れることが求められる.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件)

  • [国際共同研究] 国立環境研究所(インドネシア)

    • 国名
      インドネシア
    • 外国機関名
      国立環境研究所
  • [雑誌論文] 農業衰退下における溜め池の持続的な維持管理に関する考察2018

    • 著者名/発表者名
      吉田貢士
    • 雑誌名

      霞ケ浦研究会報

      巻: 19 ページ: 55-63

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公開日: 2019-12-27  

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