本研究では、セルロース系バイオマスを原料としたエタノール製造におけるエネルギー消費とコストの低減を目的として、加熱圧縮による酵素糖化前処理に関する研究を行った。加熱圧縮処理は、試料をピストンで加圧し間隙をなくすことにより試料中の水を液体に維持することで、30%前後の低水分でも水熱反応を可能とする技術である。加熱圧縮処理は草本バイオマスの稲わら、エリアンサス対して高い酵素糖化前処理効果を持つことを確認した。また、密閉式反応器により、ヘミセルロース由来成分の回収が可能であることを確認した。加熱圧縮処理では、反応時の水の量が水熱処理と比べ1/20となるため、消費エネルギーの大幅な削減が可能となる。
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