生殖戦術の一つとして、動物では貯精と呼ばれるメカニズムを採用している。鳥類でも、輸卵管で精子を貯蔵するが、41℃という高い体温下で数週間から数ヶ月もの間、受精能力を維持したまま精子が貯蔵される現象は驚異的である。本研究では、鳥類の貯精嚢を主な研究対象とし、輸卵管内の精子のイメージングによる可視化に挑戦し、加えて、貯精嚢での長期間の精子貯蔵メカニズムの解明を目指した。蛍光試薬で精子を標識し、高感度カメラで検出した所、輸卵管外からの精子の可視化に成功した。また貯精嚢に存在する抗酸化タンパク質を同定し、このタンパク質が精子の生存性を向上させることを明らかにした。
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