多臓器不全の中でも,急性腎障害と肝障害が合併した場合(腎肝クロストーク)の予後は非常に悪く,その対策は医学・獣医学両領域における焦眉の課題である.本研究では,アレイやオミクステクノロジーにpathway抽出などを組み合わせることによってモデル動物を解析し,腎肝クロストークの特異的な治療ターゲットを提案することを目的として実施した.その結果,CSF2とadrenomedullin (AM)の2つの治療ターゲット候補分子を見出すことに成功した.今後この成果などに基づいて,腎肝クロストークの発症メカニズムの理解が進み,その対策が向上して行くことが期待される.
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