ゲノム解析やトランスクリプトーム解析などにより、多様な生命現象に関与すると推察されるアブラムシ遺伝子の知見は蓄積したものの、アブラムシではRNA干渉の効果が低く、遺伝子改変の系も存在せず、その機能解析の進展を妨げていた。先ごろ(2019年4月)有性生殖卵を用いたゲノム編集の成功例が報告され、今後の展開が見込まれるが、多くの時間と労力を要する煩雑な手法であるとの問題が残る。今回のRNA干渉効率の改善は、簡便で効果的な遺伝子機能解析を可能とし、選択性が高く安全な害虫防除法の開発など、アブラムシ研究の発展に寄与すると期待される。
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