研究課題
挑戦的萌芽研究
本研究では、キリギリスの発音器である翅の左右非対称性に着目し、左右相称動物に普遍的な1対の器官に生じる左右非対称性の分子基盤の解明に挑戦した。その結果、これまで困難とされていたキリギリスの飼育法を確立し、キリギリスにおけるRNAシークエンシング法を用いた比較トランスクリプトーム解析を行うと共に、試行錯誤のうえキリギリスに適した遺伝子機能解析法を確立した。本研究により、1対の器官に生じる左右非対称性の分子基盤の解明に向けた基盤整備を進めることに成功した。
分子昆虫学
我が国には鳴く虫を愛でる伝統的な文化が存在するが、鳴く虫の翅に生じる左右非対称を対象とする遺伝子レベルの研究は皆無であった。本研究では、キリギリスの発音器である翅の左右非対称性に着目した。従来の研究では、体に1つだけ存在する器官を対象にしてきたが、翅は対で存在し左右で独立に形成されることから、その非対称性は全く異なる原理によって生じるものと考えられる。本研究は、次世代シークエンス解析及び遺伝子機能解析法を駆使して、左右相称動物に普遍的な1対の器官に生じる左右非対称性の分子基盤の解明に挑戦した。