AZADO-Cu協奏触媒による高化学選択的アルコール酸化反応の特性理解と制御を鍵として、フェノールの酸化を起点とするカップリング反応への展開に挑戦した。検討の結果、AZADO-Crの組み合わせがAZADO-Cuを凌駕する協奏触媒となることを見出した。AZADO-Cr協奏触媒は、アルコール酸化活性は示さず、フェノール選択的な酸化を実現することが確認された。一方、AZADO-Cu協奏触媒の反応機構を検討する途上で、本システムが酸化に不安定なスルフィドや1,3-ジチアンを有する含硫黄アルコールのアルコール選択的な酸化を実現するという合成化学的に有用な新知見を得ることもできた。
|