SIRPα KOマウスは、LPS投与による全身性炎症モデルに対して強い低体温応答を示す。そこで本研究では、体温調節機構の中でも冷却機構に着目し、LPSによる低体温誘導機構を調べた。SIRPα KOマウスでは、LPS投与後、積極的に代謝が低下しており、これはおそらく脳内の炎症反応が強く発生することで誘導されると考えられる。結果として、代謝および体温の低下と迷走神経を介した免疫反射がおこり、末梢の炎症反応にブレーキがかけられ、過剰な炎症反応を抑えられると思われる。つまり全身性炎症反応症候群の低体温は、能動的な抑制反応であり、体温調節の破綻の結果ではないと考えられる。
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