近年、人類は宇宙へと進出して長期宇宙滞在を実現し、宇宙空間を活用した様々な研究開発を通して科学技術の更なる発展を進めている。また同時に、前提となってきた地上重力を失った状況で健康的に生活するためのリスク評価の必要性に迫られている。本研究は、種々の疾患や生理機能障害と深く関連する細胞内小器官の恒常性維持(オルガネラ品質管理)に焦点を当て、この問題に取り組んだ。オルガネラ品質管理について確立されている小胞体に関して微小重力が及ぼす影響を解析したが、これまでに明確な変化は観察されていない。現在、他の細胞内品質管理機構との連携が小胞体での変化を代償している可能性を考慮し、解析を継続している。
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