難治性疾患に対する新たな治療法の開発は、今日の医学において極めて重要な課題である。そのための創薬には標的分子の探索が不可欠であり、我々はそのための独自の戦略として突然変異が原因で疾患を発症するハムスターを活用している。面白いことに、心筋症ハムスターには症状の異なる様々な亜系統が存在し、全ての系統でδSG遺伝子が欠損している。我々は各系統において心筋症の表現型を修飾する変異遺伝子の同定を通じ、心不全の発症と進展に関わる意外性のある分子機構の解明と応用を目指している。 今回は心筋肥大が特に顕著なBIO14.6ハムスターに注目し、心臓病研究に資する新しい疾患モデル動物の系統の創出を試みた。
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