認知症患者脳における特徴的な病理学的所見の一つである細胞内凝集体は、タウタンパク質を構成成分としている。細胞内におけるタウ凝集体の形成や除去といった細胞内凝集体の動態を規定する分子メカニズムの解明は、治療戦略を考える上で重要と考えられる。本研究では、そのメカニズムに関与する新規分子をCRISPR/Cas9システムを用いたゲノムワイドスクリーニングにより探索することを目指し、その実験系の構築を行った。そして脳に蓄積するタウ凝集体と類似した凝集体を保持する培養細胞系を確立し、その挙動をFACSにより定量的に測定することに成功した。今後ゲノム編集を加え凝集体の量の変化を与える遺伝子の同定を目指す。
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