最近、新規メモリーT細胞サブセットである幹細胞メモリーT(Tscm)細胞が発見され、新たなT細胞移入療法の素材として注目されている。Tscm細胞は長命で抗原刺激に応答して急速に増殖し、多数のエフェクターT細胞を産生する。我々はヒト末梢血よりEBウイルスや腫瘍抗原特異的T細胞を増幅させたのち、ヒトNotch-ligand, hDLL1を発現するOP9細胞と共培養することにより、エフェクターT細胞をTscm様細胞(iTscm) に転換できることを示した。iTscm細胞はヒト化マウスモデルにおいて従来の活性化T細胞よりもはるかに強い抗腫瘍能力を示した。
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