• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実施状況報告書

エピゲノム制御の観点から心不全病態分子基盤解明に挑む

研究課題

研究課題/領域番号 16K15445
研究機関熊本大学

研究代表者

尾池 雄一  熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (90312321)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード心不全 / non-coding RNA
研究実績の概要

本申請研究では、新規心臓特異的non-coding RNAであるCSLR-Xの心不全病態の発症・進展における分子機能解析を実施する。平成28年度の研究実績としては、(1) 心不全に病態形成におけるCSLR-X RNAの機能解析、(2)CSLR-X RNAと複合体を形成する因子の同定、(3)マウスCSLR-Xのヒトのホモログ探索を行った。(1)については心筋におけるCSLR-Xの作用機構を検討するため心筋特異的CSLR-X欠損マウス作製を行った。CSLR-Xコンディショナルノックアウトマウスは作製を行い、alpha MHC-Cre トランスジェニックマウスと交配中である。また、心筋特異的CSLR-X過剰発現トランスジェニックマウス(alpha MHC-CSLR-X Tg)は複数ライン作製し、ライン毎についてTACモデルを作製し、経時的に心エコーおよび組織解析、心不全関連遺伝子(ANP、BNP、Myh7、Serca2)の発現変化を解析中である。 (2)についてはCSLR-Xと複合体を構成する構成因子、当該複合体による遺伝子発現制御や翻訳調節及びその標的因子はまだ明らかになっていない。CSLR-Xの作用する細胞内特定領域を示すことによりCSLR-Xの標的因子同定、メカニズム解明の足がかりの可能性がある。細胞質におけるCSLR-Xの局在を検討するため反復配列以外の比較的種の保存されたCSLR-Xの配列から4種類のプローブを作製し、C2C12筋芽細胞を用いてFISHを行った。その結果、CSLR-Xは細胞質に点状に局在することを認め、今後オルガネラを標識する抗体、分子を用いてFISHと二重蛍光免染の解析を行う。(3)についてはCSLR-Xのホモログについては引き続きクローニングである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

CSLR-Xの標的因子同定、ホモログ探索についてはやや遅れているが、マウスを使った解析について順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

樹立したCSLR-X関連遺伝子改変マウスを用いて心機能解析を引き続き行い、心筋におけるCSLR-Xの作用を明らかにする。また、CSLR-Xの細胞質における局在をFISHおよびオルガネラによる蛍光免疫染色による二重染色により明らかにし、CSLR-Xの標的因子の探索を行う。CSLR-Xのヒトホモログについては引き続きクローニングを行う。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件)

  • [雑誌論文] ANGPTL2 activity in cardiac pathologies accelerates heart failure by perturbing cardiac function and energy metabolism.2016

    • 著者名/発表者名
      Tian Z, Miyata k, Kadomatsu T, Horiguchi H, Fukushima H, Tohyama S, Ujihara Y, Okumura T, Yamaguchi S, Zhao J, Endo M, Morinaga J, Sato M, Sugizaki T, Zhu S, Terada K, Sakaguchi H, Komohara Y, Takeya M, Takeda N, Araki K, Manabe I, Fukuda K, Otsu K, Wada J, Murohara T, Mohri S, Yamashita JK, Sano M & Oike Y.
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 7 ページ: 13016

    • DOI

      10.1038/ncomms13016

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [学会発表] アンジオポエチン様因子2と心血管疾患2016

    • 著者名/発表者名
      尾池雄一
    • 学会等名
      脳心血管抗加齢研究会2016(CCVAA) シンポジウム5「免疫老化から迫る脳心血管疾患の発症機序」
    • 発表場所
      秋葉原UDX 4階 NEXT-1, 東京都
    • 年月日
      2016-12-18
    • 招待講演
  • [学会発表] 慢性炎症と臓器線維化におけるアンジオポエチン様因子2の役割2016

    • 著者名/発表者名
      尾池雄一
    • 学会等名
      CVMW2016 心血管代謝週間 合同シンポジウム2「慢性炎症と臓器線維化の分子基盤」
    • 発表場所
      東京コンベンションホール 大ホールAB, 東京都
    • 年月日
      2016-12-16
    • 招待講演
  • [学会発表] Roles of Angiopoietin-like protein 2(ANGPTL2 )in cardiovascular disease2016

    • 著者名/発表者名
      Yuichi OIKE
    • 学会等名
      第24回日本血管生物医学会学術集会/第14回日韓血管生物合同シンポジウム Joint Symposium 3 Cardiovascular aging
    • 発表場所
      長崎ブリックホール, 長崎市
    • 年月日
      2016-12-09
    • 国際学会 / 招待講演

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi