研究課題
本申請研究では、新規心筋特異的non-coding RNAであるCSLR-Xの心不全病態の発症・進展における分子機能解析を実施した。平成29年度の研究実績としては、(1) 心不全に病態形成におけるCSLR-X RNAの機能解析、(2)CSLR-X RNAと複合体を形成する因子の同定、(3)マウスCSLR-Xのヒトのホモログ探索を行った。(1)については心筋におけるCSLR-Xの作用機構を検討するため心筋特異的CSLR-X欠損マウス作製を行った。また、心筋特異的CSLR-X過剰発現トランスジェニックマウス(alpha MHC-CSLR-X Tg)を作製し、TAC モデルを作製し、経時的に心エコー及び組織解析、心不全関連遺伝子(ANP、BNP、Myh7、Serca2)の発現変化を解析し検討を行った。現時点ではTgマウス、その同腹子の野生型マウスについて心エコー、組織解析、心不全関連遺伝子の発現変化は認めていない。(2)についてはCSLR-Xと複合体を構成する構成因子探索のため、全身性強制発現CSLR-X トランスジェニックマウス、野生型、CSLR-X KOマウスの心臓組織を用いて、プロテオーム解析を行い、複数の候補タンパクを同定した。CSLR-X関連遺伝子改変マウスの心組織を用いてwestern blotによる確認を行い、プロテオーム解析と同様の発現変化の確認を行った。この遺伝子はタンパクのみ変化を認め、mRNAは変化を認めなかったことより、これらの遺伝子はCSLR-Xが直接もしくは間接的に作用すると考えられる。(3)についてはCSLR-Xのヒトホモログを引き続き探索、クローニング中である。
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