皮膚の脂腺細胞は、皮脂を分泌し、紫外線や細菌から皮膚表面を保護するが、我々が発見し命名した同細胞の分泌膜小胞のセボゾームは他の組織細胞には見られない脂肪滴を持ち、特異的な3つの有用な新機能が期待される。(1) 周辺の表皮細胞に皮脂及び塩基性のタンパク質のヒストンH3を移送・補給し、脂質、脂溶性ビタミン、サイトカインや抗菌活性を与える。(2) がん細胞などで多数報告され、細胞間の情報交換に貢献するエクソソームと同様の機能が予想され、さらに脂肪滴の付加機能も与える。(3) 細胞の脂肪滴には感染防御機能や抗炎症作用が報告されているが、セボゾームにも同様の機能を持つことが示唆される。
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