昨年度から引き続き、有機溶媒中での酸化還元酵素モデル錯体(金属錯体)を用いたハロゲン化反応と水系溶媒中での酸化還元酵素を触媒として用いるハロゲン化反応の両方について、検討を進めた。 有機溶媒中での酸化還元酵素モデル錯体を触媒として用いたハロゲン化反応の検討については、昨年度までの非放射性ハロゲンを用いた反応条件検討で良好な反応条件を見いだせていなかった。しかしながら、放射性同位元素は感度が高く、生成物が微量である場合でもその生成を確認することができることから、本年は、実際に放射性ハロゲン元素である臭素(77Br)を用いて、標識反応条件の網羅的な解析を進めた。反応は経時的にラジオ薄層クロマトグラフィーにて追跡評価をし、新たなスポットが生成するかどうかで、反応の進行の有無を評価をした。 酸化還元酵素を用いたハロゲン化反応の評価については、昨年度までに進めてきた水溶媒中での反応条件検討に加えて、水‐有機溶媒混合溶媒中での反応条件の探索を進めた。また、これまでの反応条件検討において得られていた白色沈殿について、サイズ排除クロマトグラフィー、核磁気共鳴装置(NMR)による分析を進め、副生成物は基質の重合物であることを確認した。
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