研究課題
挑戦的萌芽研究
電子線形加速器で発生させた制動放射線を利用して、医療用放射性核種であるCu-67, Re-188, Ga-Ga, Rh-105, Lu-177の製造が可能であることを確認した。電子の加速エネルギーを変えて各核種の生成量を見積もり、将来の国内需要を満たす量の製造が可能かどうかを評価した。特にCu-67については、本手法により、他の大型の加速器を用いる方法と比較しても充分な量の製造が期待される。
核・放射化学、分析化学
本研究は、小型化が可能であるため、建設コストが安価な電子線形加速器で発生させる制動放射線を用いた効率的な医療用RI製造法の開発のための基礎検討であり、これまで国内では検討されていない斬新な方法を提案するものである。小型の電子線形加速器を使用した医療用RIの製造システムが実現できれば、各地方の拠点医療施設ごとにそれらを配備し、必要に応じた医療用RIの供給が可能となる。現在、特にCu-67は、腫瘍の診断・治療薬の原料として、国内で安定供給が急務となっており、本研究で提案する方法により、安価にCu-67の安定供給を実現できれば、その意義は大きい。