マウス腹部大動脈へ人工血管埋植後8週目には血管内腔側に石灰化を来すことがわかっており、それらグラフトを用いて、石灰化・新生内膜肥厚に関するメカニズム解明について研究を行った。 結果、腹部大動脈に人工血管を埋植したマウス49匹中39匹から、移植後2ヵ月後に開存し得た人工血管グラフトを回収した。39サンプル中14サンプルで石灰化が認められた。リアルタイムPCRを行った22の遺伝子のうち、4つの遺伝子で統計学的有意差は認められなかったものの、非石灰化群を1としたときの石灰化群のRelative Expressionが2以上であり、動脈グラフト移植後の石灰化発生に何らかの関連がある可能性が推察された。
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