膀胱癌にはBCGが使用されるが、そのメカニズムは不明である。我々は、BCGの細胞壁であるミコール酸(MA)に注目した。本研究の結果、安定的にMAを抽出することができ、さらにはMAのサブクラスである、α、メトキシ、ケトMAの分離も同様に可能となった。同時にMAのリポソーム化にも成功した。リポソームの粒子径は200nm以下まで縮小させることが可能となった。電子顕微鏡でも小径粒子であることが確認できた。皮下接種モデルでは、ロドコッカスやT172のαMAでは全く抗腫瘍活性を得ることができなかった。しかし、BCGのケトMAにおいては、抗腫瘍活性を得ることができ、この結果を基に特許申請を行った。
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