本研究の目的は、『災害サバイバーセルフケア支援プログラム』を作成して市民に実施し、災害サバイバーを育成することである。本研究の目的達成に向け、全国市町村の地方自治体を対象に実施した防災・減災対策状況と災害支援教育に関する質問紙調査、就労継続支援B型の施設長を対象に実施した障がい者支援に必要な災害対策に関する聞き取り調査の結果を踏まえ、①『災害サバイバーセルフケア支援プログラム』を作成した。あわせて、プログラムの評価として、②『災害サバイバーセルフケア力評価表』を作成した。また、各プログラム内容の評価として、③『講座に関する質問票』を作成した。 ①:『災害サバイバーセルフケア支援プログラム』は、1~2回/1ヶ月を目安に、1回60分~90分の講座を合計6回、定期的に実施する計画とした。プログラムは、第1回「災害の種類と特徴-災害サイクルとは、災害時要援護者とは、災害による心理状態とは-」、第2回「災害発生前の準備-いざという時に慌てないために-」、第3回・第4回「災害発生時と発災直後の行動-まずはいのちを守ろう-」、第5回「避難場所での健康管理・衛生管理におけるセルフケア」、第6回「災害復旧・災害復興と災害への備え」の内容で構成し、講義と演習を交えた講座形式として、講座に必要な教育教材を作成した。 ②:『災害サバイバーセルフケア力評価表』は、文献検討を基に、環境危険認知、危機意識、防災・減災準備、生命維持、コミュニティ、ストレスマネジメント等のセルフケア力を問う53項目で構成した内容で作成した。 ③:『講座に関する質問票』は、理解状況、知識・技術の獲得状況、受講目標の達成状況、周囲への知識の啓蒙意識、10段階評価による災害意識、講座の良い点・改善点等の12項目で構成した内容で作成した。
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