本研究では,ユーザが自分自身で位置情報に(ノイズを加える等の)加工を施した上でサービス提供事業者に送信し,サービス提供事業者が大量の加工済み位置情報を元に空間統計データを構築する「空間統計データ構築技術」の確立に向けて,精度と安全性の両面から研究成果を上げた.まず,分布推定法として最も有望な従来手法である反復ベイズ法の分布推定誤差を低減する手法を提案し,理論と実験の両面から高精度化が可能であることを示した.次に,従来の加工メカニズムの匿名性という観点から安全性を詳細に解析し,OptSQLメカニズムが匿名性の観点で優れていることを示した.
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