研究課題
本研究の目的は,新たな学習環境として注目されているスマートデバイスにおける数学オンラインテストシステムの数式入力環境を改善するために,数式音声入力インタフェースを構築することである。本研究では,数式曖昧表記変換方式と機械学習技術による候補提示によりシステムの実現を目指す。研究初年度は,数式曖昧表記変換方式を実装した数式入力インタフェースMathTOUCHへ数式予測アルゴリズムの実装し,被験者実験により数式入力タスクのパフォーマンスの評価を行った。評価の結果,従来型より約1.4倍早く数式入力できる傾向にあることを示したが,変換候補の表示方法の改善と予測アルゴリズムの精度向上の課題が明らかになった。そこで,平成29年度は,前年度に行なった被験者実験より得られたデータから,変換候補の提示・表示方法・修正機能など,不足する機能および問題点を整理し,インタフェースおよびインタラクションデザインの改善を行った。また,現在の数式入力インタフェースはパソコンでの利用を前提としており,スマートフォンやタブレットなどのスマートデバイスによる入力には対応していないため,スマートデバイス向けの入力インタフェース(ソフトウェアキーボード)の開発を行なった。国際会議(HCI international)に参加し数式予測アルゴリズムについて研究成果発表を行うとともに,スマートデバイス向けのユーザインタフェースに関する情報収集を行った。
3: やや遅れている
平成29年度は,初年度に完成した数式入力インタフェースの(1)スマートデバイス対応(入力インタフェースの開発)と(2)数式読み上げの音声認識に対応したパーサの開発を進める予定であったが,スマートデバイス向けの入力インタフェース開発にあたり,当初予定していなかったPC向けの数式入力インタフェースのプログラム構造を見直しが発生し,予定に遅れがでている。
スマートデバイス向けの入力インタフェースのユーザビリティ評価と並行して,遅れているパーサ開発を行い,音声認識による数式曖昧文字列入力機能を開発する。平成30年度が最終年度であるため,プロトタイプシステムを完成させ,LMS上で被験者実験によるユーザビリティ評価を行う予定である。
すべて 2017
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
Human Interface and the Management of Information: Supporting Learning, Decision-Making and Collaboration, Lecture Notes in Computer Science, Springer
巻: 10274 ページ: 15-28