水銀は地球規模に広がる汚染物質である。大気中水銀の循環について理解を深めるためには、発生源の特定が重要である。本研究は、発生源および動態調査のトレーサーとしてその有効性が期待されている水銀同位体比を利用し、沖縄県辺戸岬のガス状原子状水銀(GEM)についての取得を試みた。 その結果、GEMの水銀同位体比に季節変動があり、GEMのδ202Hg値と、夏季のCOおよびPM2.5濃度との間に明確な相関関係が示された。 後方流跡線や気象データとの解析により、GEMの発生源は沖縄以南にある可能性が示された。また本研究では、大気中水銀の端成分調査として自然発生源および人為的発生源の同位体分析を取得した。
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