研究成果の概要 |
本研究は魚類の嗅覚に基づく行動に着目し、海洋酸性化が魚類の嗅覚機能に与える影響を明らかにすることを目的とした。実験にはカクレクマノミを用い、(1)摂餌行動及び(2)カクレクマノミとイソギンチャクの共生の2点の嗅覚行動を対象とした。自然濾過海水、1,000 ppm及び2,000 ppmの3段階の実験水に実験魚を曝露し、行動実験を行った。実験の結果、いずれの場合においても行動に大きな変化はみられなかったため、カクレクマノミの嗅覚は海洋酸性化に対して耐性がある可能性が示唆された。しかし、本実験で用いた実験魚は成魚であったため、より脆弱な幼魚で影響がみられる可能性が考えられた。
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