研究課題
若手研究(B)
琵琶湖流域では,1960年代から水環境の悪化が進み,特に1970年以降,上水被害や農薬被害,赤潮発生などが深刻な課題であった.本研究では,1970年から2015年の滋賀県議会会議録の内容を定量的に把握した.その結果,琵琶湖保全に関わる政策決定プロセスにおいて湖内の水質や河川,下水道に関する議論が多かったこと,公害や琵琶湖総合開発のテーマについては自然環境や滋賀県民の社会的関心事と連動して政策決定に関する議論が行われていたことが明らかとなった.
環境政策科学
琵琶湖は流域面積の広さ,利用目的の多さ,利害関係者の複雑さから国内湖沼が抱えるほとんどの課題を経験し,それらに対する政策を実施してきている.また『全国湖沼資料集<第20集>』に掲載された195湖沼のうち29湖沼において保全計画が策定されている.琵琶湖の政策決定プロセスにおいてどのような議論を経て政策が変化してきたのかを明らかにすることで,他の国内湖沼の今後の流域保全政策の立案に役立つと考えられる.