研究課題
若手研究(B)
本研究では、国内外の現像所がこれまで培ってきた高度なアナログ技術と、最先端のデジタル技術を効果的に組み合わせることで、褪色の進行したカラー映画を公開当時の姿に可能な限り忠実に復元する際の方法論を構築するとともに、過去に生産されたカラー・フィルムの物質的特徴や、様々なカラー・プロセスの仕組みに即した保存科学的なアプローチと、適切な資料調査に基づく考古学的なアプローチを併用することで、映画復元の倫理と長期保存性に配慮した、より真正性の高い復元を実現することができた。
映画史、映画学、アーカイブ
デジタル技術の急速な浸透により、規模の縮小を余儀なくされている現像所の優れたアナログ技術を後世に継承するとともに、アーカイブされた映画が封切り時の色彩を取り戻す事で、従来の映画技術史や映画美学、ないしは映画史そのものの問い直しに寄与することができる。