研究課題/領域番号 |
16K16366
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研究機関 | 常葉大学 |
研究代表者 |
河本 尋子 常葉大学, 社会環境学部, 准教授 (10612484)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 災害 / 生活復興 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、災害からの生活復興の実現に向かうにあたり、被災者にとっての重要な節目である住まいの再建に着目し、その実現までの道のりの中で、被災者が遭遇した諸課題を明らかにすることである。また、それらの課題解決のための意思決定過程において、決断に影響を及ぼした諸要因と因果関係までを明らかにすることにより、災害からの生活復興に向けた被災者の意思決定過程のメカニズムの解明を目指している。研究計画では、被災者に対する定性調査(半構造化面接法調査)の実施と、そこから得られた定性的調査データの内容分析を行い、生活復興に至るまでの意思決定メカニズムを明らかにする。そして最終的な成果については、実務者との検証ワークショップによる実効性・客観性の担保を図る計画である。 現在、定性調査および定性調査データの分析の遂行に向けて、必要となる資機材等を導入準備している段階である。また、調査データの分析ツールについては、本研究計画の申請時点から現在までの状況変化を視野に入れて、各ツールに関連するアップデート情報を考慮する必要が生じている。そのため、計画において導入予定であった分析ツールに加えて、他のツールをあらためて検討に含め、最善のツール選定を実施している段階である。今後においては、順次必要資機材の導入を完了させ、継続的な調査の実施と調査データの分析を行い、研究成果を国内外の諸学会において発表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
災害からの生活復興に関するインタビュー調査は、夏期・冬期等に重点的に実施予定である。現在は、これらの調査計画の遂行に向けて、必要となる資機材を導入・準備している段階である。 上述の準備と並行し、現在、定性調査データの内容分析に用いる分析ツールを選定している。本研究課題の申請時点において導入予定であった分析ツールに加え、他のツールも含めたアップデート情報を考慮しながら、最善の分析ツール選定を実施している段階である。
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今後の研究の推進方策 |
今後においては、まず、初年度に実施予定とした計画に則り、研究を遂行していく。主に、夏期・冬期等には、定性調査(インタビュー調査)を実施予定であるため、それに向けた必要資機材・定性データの分析ツール等の準備を早期完了させる。そして、調査データの内容分析を通して、語りの意味的なまとまりを考慮しながら生活復興に向けた諸課題の抽出を行う。 研究の次年度においては、前年度から継続的に定性調査を実施し、調査データの収集および内容分析を行い、被災者の災害からの生活復興の過程等に関する研究内容の深化を図る。これと並行して、初年度に得られた研究成果を国内外の関連諸学会において発信していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者に育児休暇取得に伴う研究計画の中断(2年間)により、次年度使用額が生じた状態となっている。平成30年2月中旬より、研究を再開しており、今後においては、当初の計画に則り、研究計画を遂行していく予定である。 具体的には、初年度においては、定性調査(半構造化面接法調査)の実施に向けて、必要資機材・定性調査データの分析ツール等の準備を行う。そして、調査データの内容分析を通して、語りの意味的なまとまりを考慮しながら、災害からの生活復興に向けた被災者が抱える諸課題の抽出を行う。続いて、各課題の発生に対応する情報探索活動、評価、意思決定・実行結果を抽出・特定する。また、前述より明らかになった意思決定過程への影響要因を把握する。 研究の次年度においては、前年度から継続して定性調査を実施し、調査データの収集・充実につとめる。また、調査データの分析を行い、災害からの生活復興の過程に関する内容深化を図る。並行して、初年度に得られた研究成果を国内外の関連諸学会において発信していく予定である。
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