研究課題
若手研究(B)
水蒸気爆発噴出物やマグマ水蒸気爆発噴出物に含まれる微細な初生銅鉱物は、マグマ噴火の噴出物に含まれる初生銅鉱物と比較して、その組織や組成に顕著な差異が無いことが明らかとなった。マグマ噴火噴出物に含まれる初生銅鉱物の銅同位体比は、一般的なマグマの示す銅同位体比と類似する。一方、水蒸気爆発噴出物やマグマ水蒸気爆発噴出物に含まれる初生銅鉱物の銅同位体比は、一般的なマグマの示す銅同位体比とは異なり、熱水や天水の影響を受けて変化したことを示唆した。
火成岩岩石学・鉱床学・地球化学
本研究の結果から、火山噴出物に含まれる銅鉱物の銅同位体比は、噴出物の変質の程度を評価する指標になり得ると考えられる。火山噴火の様式の一つであるマグマ噴火の噴出物は、主に未変質な火山ガラスや造岩鉱物からなる。マグマ噴火の前駆現象として、変質噴出物を含む水蒸気爆発やマグマ水蒸気爆発が発生することがある。従って、火山噴出物の変質の程度を把握することができれば、火山噴火推移予測に役に立つことが期待される。