フォーカルハンドジストニアとは手の動作を過度に反復して使用する音楽家などに生じることの多い疾患であり,まだ有効なリハビリテーションは確立されていない。この症状の一因として,脳の抑制性の神経の働きが関連すると考えられていることから,本研究では脳の抑制性の神経活動を促す治療法として脳内で運動をイメージさせる方法の有効性について調査した。結果として,イメージした運動と反対方向の運動に関与する筋肉を支配する神経の働きが抑制されることが明らかになった。この結果は,フォーカルハンドジストニアに対する運動イメージを用いた治療の可能性が示すものであり,今後,実際に症状を有する者への効果検証が必要である。
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