シロスタゾールは脳卒中後の再発予防として抗血小板薬として投与されるが、一方でアパシーに対して効果があったとの報告もあるが,その機序は明らかでない。そこで培養細胞を使用してノルエピネフリントランスポーター(NET)およびセロトニントランスポーター(SERT)に対する効果を検討した。シロスタゾールはNETおよびSERTをともに濃度依存的に抑制し,臨床濃度でコントロールの約7割程度の取り込み抑制効果を認めた。共焦点レーザー顕微鏡での観察では,細胞膜表面のSERT量を減少させた。以上より、NETやSERTの機能を抑制することにより脳卒中後の遷延性気分障害の予防や改善に寄与する可能性が考えられた。
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