脳卒中患者に対する歩行感覚提示装置を用いた歩行リハビリテーションの効果を歩行能力,下肢筋力,筋電位を用いて検証した.従来の歩行リハビリテーションと比較して10m歩行速度,6分間歩行距離,麻痺側股関節屈曲筋力,麻痺側膝関節屈曲筋力で有意な改善が認められ,歩行速度,歩行距離においてはトレーニングの初期段階から高い増加が認められた.筋電位では麻痺側立脚期,遊脚後期で有意な筋活動の増加が認められた.これらの結果から歩行感覚提示装置を用いた歩行リハビリテーションは従来の歩行トレーニングよりも麻痺側下肢の立脚期の筋活動を促通し,より早期に歩行能力の改善が得られることが明らかとなった.
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