本研究の目的は、児童期後期の子どもを対象として、方向転換走能力の横断的な発達の特徴を検討するとともに、方向転換走能力が優れる子どもの体格およびジャンプ運動からみた下肢パワー発揮能力の特徴を明らかにすることであった。その結果、方向転換走能力は12歳の子どもが10歳よりも有意に高かったが、この差には疾走能力が関係しており、方向転換自体の能力の差はほとんど認められないことが明らかになった。また、疾走能力および方向転換能力の両方が優れる子どもは、疾走能力は優れるが方向転換能力が劣る子どもに比べて、体格(身長・体重)は小さいが、垂直跳で測定される下肢のパワー発揮能力が高いことが示された。
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