本研究では,跳躍系種目の技能学習の焦点を「走と跳の組み合わせ」に置き,助走リズムに着目した学習指導の成果について検証を行った。その結果,ラスト3歩のリズムアップを強調した学習指導は,走り幅跳びにおいて「間延びした踏切動作」を引き起こす可能性を指摘できた。 そしてここには,跳躍系種目の学習順序性の問題が横たわっている。本研究では,走り高跳びから走り幅跳びの学習へと展開したが,走り高跳びにおける踏切脚接地時の深い後傾姿勢が走り幅跳びにおける「間延びした踏切動作」を助長した可能性が指摘でき,ラスト3歩のリズムアップを強調する場合,遠くへ跳ぶ運動から高く跳ぶ運動へと学習を展開することが望ましいと言える。
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