研究課題
若手研究(B)
本研究は,柔道の短時間の投げ込み運動が投げられる人の頭部角加速度に及ぼす影響を明らかにした.投げられる人は,O大学生男子柔道部員15名(身長168.1±4.28cm,体重77.5±8.01kg)とした.投げる人は,大学生柔道部員1名(身長173.0cm,体重74.0kg)とした.短時間の投げ込み運動前後において,大外刈りで投げられた際の頭部の矢状面における角加速度,頸筋力を測定した.その結果,短時間の投げ込み運動後に大外刈りで投げられた場合,頭部打撲のリスクが高くなることが明らかとなった.
コーチング
柔道における死亡・重大事故を減少させるための安全対策は,日本教育をはじめ世界中の喫緊の課題である.柔道による死亡・重大事故は主に部活動中に起きている.したがって,実践的な運動前後による投げられる人の頭部への影響を分析することは,単に頭部への負担を明らかにすることのみでなく,これまでになかった新たな視点としてより詳細なデータを提示することになる.さらに,本研究で得られた成果は,指導現場における安全対策の強化や社会へ発信していくための講習会などに応用可能となる.