本研究は、走動作、跳動作、投動作などの基本的運動能力が運動器スポーツ障害に与える影響について明らかにするために、小学生の縦断的な運動パターンの変化を調査した。小学生においては運動器スポーツ障害の発生率が少なく、障害群での運動パターンの変化を検討することができなかったが、運動パターンの発達が未熟なものと一般的にスポーツ障害の発症メカニズムと類似することが明らかになった。また、運動パターンの縦断的な変化を調査した結果、小学校低学年時(特に入学時)の基本的運動能力が高学年以降にも持ち越されており、幼少期の基本的運動能力の重要性が明らかになった。
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