骨格筋中の幹細胞である筋衛星細胞は、加齢に伴ってその数や機能が低下する。Klf5は筋分化に必須の転写因子であるが、Klf5を恒常的に過剰発現させたC2C12は細胞増殖を停止し、老化細胞の特徴であるSA-βGal陽性を示した。Klf5の過剰発現細胞では、MyoDやMyHCなどの筋関連因子や細胞周期関連因子の発現が減弱した。一方、細胞増殖抑制因子であるp21の発現が上昇した。これらの結果から、骨格筋細胞において、Klf5は細胞増殖に対して抑制的に働き、加齢によるKlf5発現の制御異常はp21の発現上昇を介した細胞老化や線維芽細胞様細胞への形質転換を誘導することが示唆された。
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