研究課題
若手研究(B)
聴覚障害者の社会参加に伴い,我が国でもさまざまな場所で手話通訳がなされるようになっており,舞台芸術活動における手話通訳も今後の広がりが期待される。本研究は舞台芸術における手話通訳(以下,舞台芸術手話通訳)に着目し,芸術分野における手話通訳に関するプログラムを開発することを目的に実施した。舞台手話通訳に必要な技術として,高い翻訳技術はもちろん,舞台芸術に関する経験・技能が役立つことが明らかになった他,制作側との協働のあり方が非常に重要であることが明らかになった。
手話通訳、情報保障
本研究の結果、舞台芸術作品の手話通訳において具体的に必要とされる環境整備や通訳方略が明らかになったことで、これまで独自に対応してきた手話通訳者がこの分野に特化したトレーニングを積むことが可能になり、今後さらに増えるであろう舞台芸術分野における手話通訳の質をより高めることが期待される。手話通訳の質が高まることで、聴覚障害者の文化芸術分野への参画がより容易になり、さらなる社会参加が可能となる。