研究課題/領域番号 |
16K16784
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
小田 夕香理 富山大学, 学術研究部芸術文化学系, 准教授 (70511880)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ブロンテ / 英文学 / 女性文学 / 20世紀 / ヴィクトリア朝 |
研究実績の概要 |
2021年度は、1945年以降の英国女性作家によるブロンテ姉妹に関する作品について、研究対象とすべき作品の整理、見直しを行って研究の方向性を確認し、その上で、2021年度に取り扱う予定であったエミリ・ブロンテとアン・ブロンテに関する作品、また、ブロンテ三姉妹の二人以上に関連する作品のうち、エミリに関する作品から読解・分析を進めた。 エミリの『嵐が丘』に関連するものとして選出し、読解・分析を進めた作品のなかには、分析が進むにつれ、『嵐が丘』よりもむしろシャーロット・ブロンテの『ジェイン・エア』との関連性において重要な作品であることが判明したものもあった。2021年度はシャーロット関連の作品を取り扱う予定はなかったが、本研究における重要性を考慮し、『ジェイン・エア』との関連性を主にしてこの作品の分析を行い、英国の女性作家たちにシャーロットが及ぼした影響についても考察を深めた。 新型コロナウイルスの影響により、アンに関する作品、三姉妹の二人以上に関する作品については読解・分析の時間を確保できず、エミリに関連する作品の分析も完了させることができなかったため、次年度の課題とする。 また、本研究の成果の一部として2020年度に学会発表を行った、ダイアン・セッターフィールドの『13番目の物語』に見られる『ジェイン・エア』と『嵐が丘』の要素の考察について、内容をさらに充実させ、日本ブロンテ協会発行の『ブロンテ・スタディーズ』に論文として発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルスの影響により、研究を進めることが難しい時期、研究を進めることができない時期があった。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は、新型コロナウイルスの影響により、アン・ブロンテに関する作品、三姉妹の二人以上に関連する作品をを分析する時間を確保できず、エミリに関する作品の分析も完了させることができなかった。2022年度は、これらの残された課題に取り組むとともに、英国女性文学史におけるブロンテ三姉妹の役割と、英国の女性作家たちの作品において姉妹の作品がどのような意味をもつのかを明らかにし、その結果を英文学史の流れに照らし合わせ、英文学史を見直すことで本研究を締めくくる。ブロンテ姉妹の作品や関連作品の分析、研究の総括に必要な文献・資料を入手するとともに、学会での情報収集にも努めて考察を深め、研究成果の充実を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの影響により、研究を予定通り進めることができなかったこと、また、情報収集のために出席を予定していた国内外の学会がオンライン開催となり、旅費の支出がなかったことが、次年度使用額が生じた主な理由である。次年度使用額は、2022年度に学会が対面で開催される場合は、それらに出席するための旅費として使用する他、研究の充実のために必要な文献・資料の入手に使用する。
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