本研究では、1945年以降に発表された、英国の女性作家たちによる、ブロンテ姉妹に関連する作品を分析することにより、ブロンテ姉妹というヴィクトリア朝の女性作家の作品や人生が、女性の社会進出が進んだ20世紀の中盤以降においても、様々に書き直される理由の解明を試みた。1945年以降、英国の女性作家たちが、シャーロット・ブロンテの『ジェイン・エア』とエミリ・ブロンテの『嵐が丘』を、その時代に相応しい形で作品に取り入れてきたことが明らかになったこと、これら二つの作品には、それを可能にする普遍性と特殊性があることを確認できたことが本研究の成果である。
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