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2018 年度 実施状況報告書

現代英語圏黒人文学における子ども表象についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K16790
研究機関目白大学

研究代表者

岡島 慶  目白大学, 外国語学部, 准教授 (10710569)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード黒人文学 / 子ども表象 / 黒人女性 / アフロ・フューチャリズム / セクシュアリティ
研究実績の概要

今年度は、前年度からのテーマを発展させ、Octavia ButlerのFledglingという作品に焦点を当て、主に黒人少女のエージェンシーとセクシュアリティをめぐる倫理について考察を深めた。アメリカに渡航し現地の研究者たちと研究テーマについての意見交換を行い、新しい知見を得ることができた。とりわけ論文執筆を進める上で有益だったのが、Alexander WeheliyeによるHabeas Viscus: Racializing Assemblages, Biopolitics and Black Feminist Theories of the Humanについての情報であった。人種化された他者である黒人たちの視点から生政治の矛盾や限界を鋭く看破する内容で、Fledgling論に貴重な示唆を得ることができた。特に主人公Shoriの複雑に交差する人種的(もしくは生物学的)アイデンティティについて考察を深めていくことができた。
また、ニューヨーク州オルブライト・ノックス美術館で開催されていた特別企画展 We Wanted a Revolution: Black Radical Women, 1965-85を観覧し、調査研究をすることができた。黒人女性のセクシュアリティ、 とりわけリプロダクションに関わる個々人のエージェンシーと倫理の問題について考えさせられた。写真や彫像などといった芸術作品から文学作品の理解を深めていける貴重なきっかけとなった。特に、Fledglingだけでなく、Butler作品で頻繁に描かれるテーマであるセクシュアリティとエージェンシーのつながりを理解するための新鮮な視点を学ぶことができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

論文の執筆はほぼ順調に進んだが、校務日程との重複などから、学会での成果発表そして論文投稿の段階まで到達することが出来なかった。

今後の研究の推進方策

執筆した論文の手直しを続け、学会で研究発表を行いたい。発表に対するフィードバックから論文の内容を精練させていき、研究雑誌に投稿する。論文の校正を随時行い、海外学会への渡航などに経費を使用したい。

次年度使用額が生じた理由

参加を予定していた海外学会での発表が校務日程などとの関係から行うことができなかったため。次年度は論文の英文校正と学会参加のための海外渡航費に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] ラルフ・エリスンのディアスポラ―『見えない人間』におけるディアスポラ哲学の展開2019

    • 著者名/発表者名
      岡島慶
    • 雑誌名

      立命館言語文化研究

      巻: 31 ページ: 印刷中

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公開日: 2019-12-27  

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