本研究の目的は,コンピュータのキー入力記録を用いたライティングプロセス可視化コーパスの構築と英語学習者のライティングプロセスの解明である.はじめに,キー入力記録システムを用いて,日本人英語学習者のライティングプロセスデータを収集し,英語学習者のキー入力記録情報を含んだ学習者コーパスを構築した.その後,それらのデータにライティングの評価や品詞情報などのアノテーションを行い.最後に,完成したプロダクトに関する指標とライティング執筆中のプロセスの指標を用いて,プロセスとプロダクトの関係性や評価に寄与する特徴量などを調査し,英語学習者のキー入力ログを用いた新しいライティングプロセス研究の可能性を検討した. このプロジェクトでは,データ収集を行う前にコーパスのデザインを詳細に検討し,その後,データ収集に着手した.また収集したデータにおけるキー入力記録システムから得られた基本的な特徴量(総語数,初入力時間,一分あたりのキー入力数,一分あたりの語数,削除キーの打鍵数に基づいた一分あたりの推敲回数,前半/中盤/後半の推敲回数など)を分析した.それらを踏まえ,その成果について学会などで報告した.また本プロジェクトに関連する成果物として,『英語教育における自動採点:現状と課題』という書籍を上梓した.
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